気候変動対策として導入を進めるNon-FIT太陽光発電所の機器故障・長期運転停止リスクを回避

事業内容についてお訊かせください。

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。
独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献しています。

事業規模が拡大し、当社の社会への影響は大きくなっており、社会および企業の持続可能性のための貢献のあり方の一つとして、環境経営を進めています。その中で、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの導入を進めています。

導入の経緯・日本リビング保証を選んだ理由についてお訊かせください。

ムラタでは環境経営の実現に向け、RE100やSBT目標に沿った事業運営によって、温室効果ガス削減に貢献することを目標に掲げています。
そして、ムラタの長期構想に掲げている「持続可能な事業プロセス」を追求する中において、将来予想されるエネルギー価格上昇の影響を受けないようにするため、自社で太陽光発電所を保有することが選択肢の一つとして浮かび上がりました。

太陽光発電所に何らかの不具合が生じて電力供給が困難になった際には、即時の原状回復に向けた対応が必要不可欠ですが、重要機器であるパワーコンディショナは、JET認証期間満了後（対象機器の品質に関する第三者認証制度）は、目まぐるしく変わる市場の要求に満足するため、新モデルへの切り替えが進む傾向が強く、同一モデルの供給を長期にわたって行っていただきにくい環境にあると考えています。
結果として製造中止より数年経過した時点で、機器の供給リードタイムが長くなる交換リスクがあると考えており、継続的・安定的に太陽光発電所を運用していくには、この交換リスクを回避する仕組みが必要と考えていました。

そのような中、日本リビング保証株式会社様から、メーカー基本保証期間満了後に発生するメンテナンスコストについて、保証料としてカバーする（標準ソリューション：太陽光発電システム機器長期保証）、というご提案をいただきました。
メーカー基本保証期間満了後に発生した故障事故に対しては、活性化しているであろうリサイクル市場から交換用機器を調達し、短期間の原状回復が可能と判断しました。
また、最大20年間の長期保証というのも、減価償却プラスアルファの期間のリスク回避ができることになり、非常に大きなメリットだと感じました。

加えて、大きいのは太陽光発電所に付属の遠隔監視装置が故障した際の出張作業料についても保証されることです。
再エネ発電所普及の促進に伴い、太陽光発電所については、ノンファーム接続が必須条件になってきました。
その対応に向けては、出力制御機能を有する遠隔監視装置とパワーコンディショナをセットで運用する必要がありますが、もし、遠隔監視装置が故障し、機能停止をした際には、ルール上、パワーコンディショナも停止させなければならないと定められています。

その結果、遠隔監視装置の故障時には、太陽光発電所の運転を停止しなければならないということになります。
しかしながら、従来の出張作業料保証には、保証対象機器として遠隔監視装置が含まれておりませんでした。
遠隔監視装置が故障した場合、「O&M業者の出張作業料見積入手後に、社内決裁を得る」のプロセスを都度行う必要があり、その結果、原状回復期間の短縮化に向けては、こうしたプロセスが障害になるのではないか、との懸念を持っていました。

こうした懸念を日本リビング保証株式会社様に相談したところ、遠隔監視装置に関する出張作業料を保証対象に加えることとなりました。
これにより、保証料で費用充当できることで、社内決裁の回数が減り、その結果、原状回復期間の短縮化ができ、非常に大きなメリットだと感じました。

ご導入後の効果についてお訊かせください。

これらの長期保証によって、自社で太陽光発電所を保有するリスクを最小化できたことは非常に大きいと感じています。
太陽光発電所は需要家にとっては重要なインフラの一つであり、こうした保証を組み合わせることによって、長期間にわたってリスクを最小化し、安定して使い続けることができるようになるのは大きなメリットになるのではないかと考えています。
こうした取組や考え方を一人の需要家という枠を越えて、様々な事業者と共有して、広げていきたいですね。